『癌と核酸』 人類最強の敵ともいえるのがガンです。多くの医者や科学者の研究のおかげで今、ガンの発生のしくみはかなりのレベルまで解明されています。 |
癌と遺伝子 ガン細胞を自殺させる。
「核酸」を補給することは、毎日数十個の細胞がガン化している私達にとって、本格的なガンの増殖を防ぐ上で大変重要な意味があるのです。一個の「ガン細胞」が早期発見できる1gの大きさまでに成るには少なくとも30回の分裂が必要で、5〜15年かかります。その前の「前ガン状態」の時に「ガン細胞」をやっつけておくことこそ、真の意味でのガン予防といえましょう。 「がんは遺伝子の異常によって起こる病気です。」というと、すぐに「がんは遺伝する病気なのだ。」と思われる方がおられるかもしれません。もちろんそういった遺伝性のがんもあるのですが、多くは生まれた後の環境因子によって遺伝子に傷がつくことが原因と考えられています。 人間の体はたくさんの細胞から成り立つ多細胞生命体です。そしてそれらの細胞はそれぞれが持つ遺伝子という設計図に基づいて、脳にいる細胞は脳の細胞として、肝臓にいる細胞は肝細胞として、秩序正しくそれぞれの役割を果たしています。ところが、何らかの原因で遺伝子に傷がつくとがん細胞へと変化し、本来秩序を保つために抑えられているはずの機能が出現します。その機能とは、すなわちがん細胞の特徴で、無限に増え続けること(無限増殖)、周りの正常な組織に食いつき破壊していくこと(浸潤)、他の臓器に飛び火すること(転移)です。そして、正常細胞を破壊し、秩序を乱した結果、生体を死に至らしめる。これが、がんという病気です。 人間の遺伝子は大量で、様々な情報を詰め込んでいます。「どんな遺伝子が傷ついたらがんになるのか。」ということが種々のがんを用いて世界中で研究されています。いくつかのがんで共通の遺伝子に異常を示すものもありますし、がんの種類によって異なった遺伝子に異常をきたす場合もあります。発がんに関連する遺伝子は大きく分けて二通りあります。一つは癌遺伝子とよばれるもので、本来細胞が増える時などに必要な遺伝子なのですが、遺伝子に異常が起こり、過剰に働くようになってがん化していくものです。また、もう一つは癌抑制遺伝子と呼ばれるもので、この遺伝子が働いていることによって、先に挙げたがんの特徴が現れるのを抑えています。癌遺伝子をアクセル、癌抑制遺伝子をブレーキに例えると、ブレーキが壊れて、アクセルもふかしっぱなしで暴走する車が、がん細胞ということになります。そして、通常、複数の癌遺伝子および癌抑制遺伝子の異常が蓄積されて、がん細胞になっていくと考えられています。 さて、その遺伝子に傷をつける原因ですが、煙草、紫外線、肉のこげた物などいろいろいわれています。しかし、傷がつき、また、それを修復する機構などもあり、まだまだわからないことが多いのが実状です。また、遺伝子(DNA)は細胞の中では染色体という2本で1対となった紐状のものとして存在します。両親から1本ずつ受け取り2本となるわけです。冒頭でふれた遺伝性のがんとは2本のうち1本に傷があるものを親から受け継ぎ、残る1本に傷がついた時に発癌するというものです。通常の非遺伝性のがんよりも若年で発症するのが特徴です。 このようにがんと遺伝子の関わりが明らかとなるにつれ、診断、治療への応用が期待されます。遺伝子解析によってがんの早期診断、悪性度診断をおこなう。異常の起こっている遺伝子を標的にして遺伝子治療をおこなう。さまざまなアイディアで多くの研究が進められています。今、人類の宿敵、がんとの戦いは新たな局面に入ったといえます。 |
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